夏風邪の漢方薬ありませんか?
この時期は「夏風邪の漢方薬ありませんか?」とよく聞かれます。「夏風邪には○○」というものはないので、原因によって漢方薬を変えていきます。クーラーによる体の冷え、菌やウイルスによる胃腸風邪など原因はたくさんあります。まずはその主たる原因を探し、風邪薬を決めていきます。
胃腸風邪
この時期は、冷たいものの食べ過ぎや胃腸の機能が落ちているにもかかわらず消化の悪くカローリーの高いものを食べることによって、消化管免疫が落ちて大腸経や小腸経に外邪が入りやすくなり胃腸風邪をひきやすくなります。消化管の免疫力が落ちると菌やウイルスに弱くなり、感染すると吐いたり、下したり、熱が出てゲッソリとやせ細ってしまいます。
下痢・嘔吐が主なら黄芩湯を疑う
黄芩湯とは?
黄芩湯が合う胃腸風邪は発熱や喉の渇きや黄舌がある場合の熱性の下痢をしている時です。「下痢=水=熱?」とイメージしにくいとは思うので一旦補足説明をします。下痢にも2種類あり、胃腸が冷えたことにより起こる機能低下による下痢と外邪(外から来た邪悪なもの)が小腸経や大腸経に侵入し湿熱を呈したことによる下痢です。黄芩湯は後者の場合によく効きます。
*湿熱・・・体内の余分な水が熱を帯びた有害な状態
夏バテによる風邪
夏バテで胃腸の免疫が落ち、食欲が全くでない様な場合には清暑益気湯を使います。しかし、清暑益気湯に含まれる朮が蒼朮だとあまりよく効きません。この場合は胃腸の水分を調節する必要があり、白朮を使っていくのがセオリーだからです。より効果を出したい場合は感應丸氣を併用することをおススメしていくといいでしょう。